海洋恐怖症は、英語ではThalassophobia(タラソフォビア)と言います。
ギリシャ語で「海」を意味する「タラッサ」と、「恐怖」を意味する「フォビア」から来ています。
海や湖、海洋生物に対する恐怖症ですね。
これは「泳げないから」とか「サメは凶暴だから」という恐怖とは少し違います。
- 「海」そのものの広大さ
- そこに潜む得体のしれない生物
- 水中という人間には圧倒的に不利な環境
私の場合、例えば、
「プールの中にサメがいる状態」と「サメがいるかもしれない太平洋のど真ん中」
であれば、サメがいるかもしれない太平洋の方が恐ろしいです…。
今回は、海外で研究されている内容や学術誌などを参考に、海洋恐怖症の詳細について調べてみました。
海洋恐怖症になる原因
こちら記事でも書いていますが、
海洋恐怖症になった原因は「わからない」や「特にない」といった事が多いと思います。
「海洋恐怖症あるある」▼
多くの方が、過去に何かあったからというよりは、
- なんとなくずっと不気味だとは思っていた
- みんな普通に怖いものなんだと思っていた
そこから、海洋恐怖症というのを知って、
あっ、わかる!自分にも当てはまる!
となるケースが多いようです。
遺伝学
現在では、タラソフォビア(海洋恐怖症)を遺伝的に調べた研究はまだ無いそうです。
しかし、ダーウィンの進化論に従って、遺伝的要因があるのではないかと言われています。
家族に海洋恐怖症の人がいると、同じく海洋恐怖症になる可能性が高いという事みたいですね。
過去の経験
やはり原因として多いのは次のようなものでしょうか。
- 溺れたことがある
- サメを目撃した
- 海の怖い話を聞いた
直接体験していなくても、親から海は怖いものだと聞かされたことによって海洋恐怖症になるケースや、
敏感で不安になりやすい性格の人が海洋恐怖症を引き起こしやすいという事があります。
ただ、面白い事にこういった過去の経験が全く無いというパターンも多くあると思います。
それが遺伝的な要因なのでしょうか。
海洋恐怖症の特徴
既に別の記事でも触れていますが、
海洋恐怖症の人が何に対して恐怖を感じているかは、いくつかパターンがあります。
- 「海」そのもの
- 大量の水
- 海洋生物(サメ、クジラ、大きな魚)
- 深海
- 「陸地から距離が遠い」という事に対して
海中で溺れる事への恐れ(身体的)
と、
海中に何かが潜んでいるかもしれないという(感情的)
の2種類の恐れが混在しているのかもしれませんね。
DSM-5(国際基準)による海洋恐怖症の基準
アメリカの精神医学会が作成している公式の診断基準というものがあります。↓
「精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」
これによると、海洋恐怖症の判断には次の5つの基準があります。
- 不合理で過度の恐怖:海や深海、海洋生物に対して過度の恐怖心がある
- 一貫した即時の不安反応:実際には危険ではなくても、一定の状況が整えば不安を覚える状態
- 日常生活への支障:日常生活に大きな影響がある
- 海や湖への回避:海や深海との関わりを避けようとする
- 6か月の期間:この症状を6か月以上経験している
海洋恐怖症と深海恐怖症と水恐怖症の違い
水関係でに似ているものに、この3つがあります。
海洋恐怖症と深海恐怖症は、ほとんど同じような扱いをされています。
一方、水恐怖症は「水」そのものに対してなので、風呂やプールなども対象となります。
こんなイメージでしょうか↓
海洋恐怖症の診断テスト
先ほど紹介した、「DSM-V」の国際的な診断基準に基づいたテストです。
※簡易的なものなので、これだけで正確な診断はできません。
もともと自己診断するためのものではありませんが、参考程度に紹介しておきます。
全て英語ですが、7つの質問に答えると、海洋恐怖症度が何%かが出るようになっています。
テストはこちらから!⇒ https://www.phobia-tests.com/thalassophobia.html
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